日照り・干ばつ対策に効果的な灌水方法とは?灌水チューブなどのおすすめ資材もご紹介
今年の夏も暑くなりそうですね。
雨が少ない時期には、干ばつによる作物への影響が心配です。
そんな時に欠かせないのが「灌水(かんすい)」です。
地味に思われがちですが、夏を乗り切るうえでは欠かせない作業なんです!
今回は、夏場の灌水のコツやおすすめの灌水資材をご紹介します!
種類豊富な灌水資材の中から、特におすすめの商品を厳選してご紹介します。
灌水とは?
「灌水」とは、作物に人の手で水を与えることを指し、液肥の施用時にも行います。
じょうろによる水やりも灌水の一種です。
ハウス栽培のように雨が入らない環境や、乾燥しやすい夏場などに必要とされます。
水はすべての作物の基本であり、灌水は作物の生育を左右する重要な作業です。
夏の灌水のポイント
涼しい時間帯に行う
夏の灌水は早朝や夕方に行うようにしましょう。
日中に行うと水が暑さでお湯になってしまい、根腐れの原因になります。
乾湿のメリハリをつける
夏の灌水は常に水を与えるのではなく、「乾燥と湿潤のメリハリ」が重要です。
乾燥を感じることで植物は根を伸ばし、強い根が育ちます。
水が常にあると根が育たず、茎葉とのボリュームバランスが崩れて
水分吸収が追いつかなくなります。
また、常に湿った状態では根が呼吸できず、根傷みの原因にもなります。
表面が乾いて薄茶色や白っぽくなったタイミングで、
たっぷり水を与えるのが夏の灌水には良いです。
乾燥が強い場合は、水が土の表面で止まりがちなので、
水量の少なくしたホースで30分ほどじっくり灌水すると、土の深部までしっかり浸透します。
注意!
アスパラガスなど、やや湿潤状態を保った方が良い作物もあるので、
そのような作物にはこまめな灌水を行ってください。
畝間灌水
近年のような猛暑におすすめの灌水方法は「畝間灌水(うねまかんすい)」です。
畝間灌水とは畝と畝の間に水を流して吸水させる方法で、
多量の水分を必要とする大豆や里芋などの作物や
暑さですぐに乾いてしまう土壌に有効です。
畝間灌水の方法とポイントを紹介していきます。
乾燥に耐えられる苗を作る
畝間灌水でも乾湿のメリハリをつけることがポイントになります。
なので、土壌を乾燥させる間耐えられる力が必要になります。
耐性を付けるために育苗段階でストチュウ水の底面給水を行います。
ストチュウ水は酢:焼酎:木酢液(または竹酢液)を1:1:1の割合で混ぜて作ります。
根を深く張らせる
畝間灌水は畝から水分を吸収するので、
根が深く張っていないと水を吸ってくれません。
水を3日ほど与えずに活着を促したり、不耕起栽や草マルチなどで根を深く張らせます。
水を流し込む
畝間灌水は、空梅雨や晴天が続くとき、
開花・結実期など水分が特に必要なタイミングで行います。
土壌水分が50%以下(pFメーターで2.5以上)になったら、
たっぷり水を与えましょう。
灌水は夕方5時から朝6時までの涼しい時間帯に行い、
日中の高温時は避けます。
水は畝の1/2~2/3の高さまで貯め、過湿に弱い作物は水位を低めにします。
基本的には一晩水を貯めますが、過湿に弱い作物や排水性の悪い土壌では時間を短くします。
灌水頻度は通常10日に1回、雨が降らない場合は3~5日おきが目安です。
初回は水が十分に浸透しにくいため、通路の奥まで水が届くまで毎晩灌水します。
排水する
灌水が終わったら排水をします。
日中も貯めたままにすると、根が煮立ってしまうので、
必ず気温が高くなる前に排水し、日中に滞水をしないようにしてください。
朝方に排水をして、土を乾かしておくと作業もしやすいです。
水はけが悪い場合は、事前に水はけを改善したり、
水が畝全体に行き渡ったらすぐに排水をするようにしてください。
ポイント
畝間に高低差をつけておきましょう。
畝間に高低差をつけておくと水が流れやすく、排水もしやすいです。
排水溝を設置しておくと、さらに排水がしやすいです。
注意点
作物との相性を考慮する
根の張りや作物の水の要求性により、
畝間灌水に向いている野菜と向いていない野菜があります。
相性が良いのは大豆・里芋・ナス・キュウリ・トマトです。
ただしキュウリとトマトは根の酸素要求が強いので、水はけをよくしてください。
相性が悪いのはホウレンソウ・根菜・ジャガイモ・ネギで、
特にジャガイモ・ネギは相性が悪いです。
相性の悪い野菜は灌水の時間を短くしたり、回数を減らしたりしてください。
暑いときには行わない
日中の暑い時間帯には絶対に行わないでください。
根が煮えてしまって、根腐れの原因になります。
夕方、涼しくなってから水を貯め始め、早朝には排水し、
日中に滞水しないようにしてください。
病気の可能性がある場合は行わない
畝間灌水は畑全体に水を流すため、
一部の病気が全体に広がってしまう可能性があります。
必ず病気が無いかを確認してから行ってください。
灌水の前後にしっかりと予防も行いましょう。
畑の管理を行う
水が畝に留まることにより、雑草が繁殖しやすくなります。
除草剤をまいたり、草刈をしたりして雑草対策を行いましょう。
また、畝間がぬかるんだ状態だと作業がしにくいですし、
湿った環境は病原菌の繁殖を促し、病気が広がる可能性があります。
灌水後は土壌の乾燥を促し、通気性を確保しましょう。
灌水後すぐに通路に入ると土が硬く締まるので、すぐには歩かない方がよいです。
酸素灌水
地温が上がると根や微生物の活動が活発になり、酸素を多く消費します。
酸素不足のまま灌水すると根の吸収力が落ち、根傷みや肥料流亡の原因になります。
そこでおすすめなのが酸素灌水です。
マイクロナノバブルやナノバブルを含ませた水を灌水することで、
酸素不足を補い、収量アップも期待できます。
酸素灌水は、酸素供給剤の混用や酸素発生装置・専用ノズルを使用して行います。
トマトやキュウリなど酸素を多く必要とする作物には特に効果的で、
畝間灌水と組み合わせると酸素不足対策になります。
おすすめ酸素灌水用品
ZETTO ナノバブル搭載ノズル
オキソパワー5
様々な灌水方法
上記で紹介したもの以外にも、地表灌水・頭上灌水・点滴灌水があり、
特におすすめなのは点滴灌水です。
灌水を自動化すれば省力化も叶います。
それぞれどのような灌水なのかと必要な資材について紹介していきます。
点滴灌水
点滴灌水とは、点滴のように少量ずつ水を与える灌水方法で、
作物の健康管理や液肥の施用に最適です。
点滴灌水には以下のようなメリットがあります。
ムラのない灌水で作物の出来が場所によって左右されない
土中の空気と水分のバランスを保ち、毛細根がよく育つ
水や養分の吸収がスムーズで、生育が促進される
必要な場所に効率よく水を届け、節水・コスト削減になる
葉濡れや泥はねがなく、病害のリスクを抑えられる ・多湿を防ぎ、
夏場の病害予防にも効果的
点滴灌水は、作物のストレスを軽減しながらの灌水が可能です。
様々な作物、施設内・露地でも行え、とても便利な灌水方法です。
ただし、初期コストがかかるのとメンテナンスが必要なので、
法人農家さんや大規模農家さん向けの灌水方法です。
必要な資材
点滴灌水には灌水ヘッド、配水パイプ、点滴チューブ(PEパイプ)や各種継手が必要です。
灌水チューブは水量にムラが出やすいため、必ず点滴チューブを使用しましょう。
PEパイプには穴を開けてドリッパーを差し込むか、
コネクターとマイクロチューブでドリッパーを設置します。
プランターやポット栽培にはドリッパーとドリップペグを設置します。
点滴チューブは灌水チューブに比べて細く、構造が複雑なことから、
目詰まりが起きやすいです。
目詰まり防止のため、水質管理(地下水や水道水がおすすめ)、
ろ過器・フィルター設置を行い、チューブの長持ちを図りましょう。
点滴チューブ
商品 | 特徴 |
目詰まり防止フィルター付 破れにくく ,均一な吐出 安価なのに高品質 | |
広範囲を均一灌水 PE新材料で、 ホワイト&シルバーは | |
安価で高品質 迷路減圧機構で均一灌水 耐久性の高い肉厚のチューブ 施工が簡単 | |
圧力補正機能で、 ボタ落ち防止機能付 白色は温度上昇抑制 |
PEパイプ
商品 | 特徴 |
耐久性抜群 ホワイトは温度上昇と |
ドリッパー
商品 | 特徴 |
ストッパー付きで、 圧力補正内蔵で、 | |
露地栽培向け 分解洗浄できるので長持ち | |
4分岐で袋栽培や 確認窓付きで、 チューブとドリップペグが |
ろ過器
商品 | 特徴 |
河川・貯水池・用水・井戸水 水質や用途に合わせた 優れた耐久性とろ過能力 | |
水流によりサイクロン効果を作り出し、 | |
網目の細かいステンレスメッシュの 安価に導入可能 |
ポイント
液肥混入器を使えば、液肥の施肥もできます。
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地表灌水
地表灌水は畝間に散水チューブやスプリンクラーを設置して水を撒く、
一般的で幅広く使われている灌水方法です。
ビニールハウスや露地栽培で活用されています。
地表灌水+マルチ栽培
地表灌水とマルチ栽培の併用は、特にナスやスイカ、
施設栽培・高収益作物におすすめです。
マルチ下に灌水チューブを設置すれば、株ごとの手間がなく
一斉に灌水でき、省力化が叶います。
また、マルチで蒸発を抑え効率的な水管理ができるほか、
雑草抑制や泥はね防止による病気予防にもつながります。
畝を作ったら、マルチを張る前に畝中央に灌水チューブを設置し、
水漏れや目詰まりを確認してからマルチを敷きましょう。
マルチ下用灌水チューブ
商品 | 特徴 |
マルチと貼りつきにくい 水むら軽減により生育むら軽減 耐久性あり | |
特殊加工のザラザラ表面により、 特殊ポリエチレンで強度アップ | |
マルチ下用 柔らかい散水で |
必要な資材
散水チューブは、マルチ下や小規模には水平散水用、
広範囲には雨状に灌水できる全面灌水チューブがおすすめです。
スプリンクラーの種類は様々で、選び方と配置は重要です。
選び方は以下のポイントを参考にしてください。
スプリンクラーの選び方
風の強い場所:なるべく低い散水仰角のもの
葉の固い果樹:なるべく水滴がおおきいもの
種後や地表に低く育つ野菜:なるべく水滴が小さいもの
均等に散水するもの
配置は、使用スプリンクラーの散水直径を基準に0.55~0.6倍の範囲で
配置すると散水効率が高まります。 円状の散水面を重ねて散水します。
灌水チューブ
商品 | 特徴 |
狭い散水孔で 特殊フィルター内臓で | |
マルチ下、根本灌水から 柔らかい散水で | |
優しい散水で 優れた耐久性 様々な種類があり、 | |
露地用 散水幅が長い 柔らかく,均一な散水 |
ピッチ選択可の灌水チューブ
ピッチを選択できる商品は散水間隔を調節できます。
商品 | 特徴 |
汎用性が高く使用しやすい 吐出水量が多く、 均一灌水 |
チューブの目詰まりが取れるブラシ
スプリンクラー
商品 | 品番 | 用途 | 散水直径(m) | 散水範囲 |
果樹用 | 15.2~158.8 | ー | ||
露地栽培 | 19.6~22.6 | |||
育苗・花弁 | 11.6~13.4 | |||
多目的低圧 | 8~9.6 | 360° | ||
作物全般灌水 | 11~14 | 360° | ||
風が強くい場所 | 21~23 | 330° | ||
360° |
頭上灌水
頭上灌水は主にビニールハウス内で行われる灌水方法で、冷却目的にも使われます。
配管が地面にないため作業の邪魔にならず、
水稲育苗や葉物野菜、果樹棚での利用に適しています。
必要な資材
天井やサイドにチューブやマイクロスプリンクラー、
灌水ノズルを設置し、施設全体に均一に水を撒きます。
均一散布が重要で、高い位置からの大きな水滴は作物にダメージを与える可能性があるため、
散水量や設置位置には注意が必要です。
灌水チューブ
商品 | 特徴 |
霧雨のようなやさしい散水 両サイド同時散水でムラのない潅水 奥行60mまで均一灌水 優れた耐久性 | |
霧雨のようなやさしい散水 奥行80mまで均一灌水 優れた耐久性 |
スプリンクラー&関連用品
商品 | 特徴 |
ハウスから露地まで対応 | |
すべてのハウスで使える頭上配管型 導入コストが安価 施工、メンテナンス簡単 均一灌水 作物、ハウスに合わせられる | |
散水中のボタ落ちが少なく、 ドレインストップバルブ 細かい水滴で育苗に最適 |
自動灌水
灌水を自動化することで、省力化や規模拡大が可能になり、不在時も安心です。
紹介した灌水アイテムに灌水タイマーを組み合わせれば、手軽に自動化できます。
タイマーには以下の種類があります。
タイマー式:時間や間隔を細かく設定できる
日射比例式:日射量に応じて自動灌水
日射比例×土壌水分制御式:日射量と土壌水分の両方を見て灌水量を調整
まずは手軽なタイマー式から始めるのがおすすめです。
おすすめ灌水タイマー
商品 | 品番 | 散水時間 | 散水間隔 | 電源 | 特徴 |
10秒~12時間 | 曜日単位 1回だけ サイクル散水 時間枠 | 乾電池式 | 配管途中に | ||
1分~30日 | AC電源式 | 広い圃場に | |||
1分~12時間 | 1日4回 または | 乾電池式 | Bluetooth搭載 専用アプリで、 | ||
1日4回 |
AC電源式のタイマーは電磁弁と一緒に使います。
乾電池式はそのまま配管途中に取り付けられます。
まとめ
今回は灌水についてとおすすめの灌水用品について紹介しました。
暑い夏は作物にとっても過酷な季節。
でも、灌水の工夫ひとつで、生育をグッと後押しすることができます。
今回ご紹介した方法や資材をうまく活用して、乾燥や酸素不足を防ぎ、
元気な作物を育てていきましょう!
「どの資材を使えばいいのか分からない…」という方も、この記事を参考に、
ピッタリの灌水方法を見つけていただけたら嬉しいです。
プラスワイズでは、夏の栽培に役立つ灌水資材をたくさん取り揃えています。
気になる商品があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!




















































